みちばた日誌

いまをぼちぼち生きる。

2020年の私のマンガの話。

twitterをぼんやり見ておりましたら、こちらのサイトの画像が流れてまいりました。

alu.jp

 

漫画タイトルを5つ挙げて、ニックネームを入力するだけで「私の2020年マンガBEST5」の画像を生成してくれます。登録などの手間もなくとても気軽に遊べました。せっかくなのでこちらの画像をお借りしつつ、2020年私がハマった漫画のことを語りたいと思います。ネタバレなどには気をつけて書いているつもりですが、一応閲覧注意ということでお願いします。

 

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◆SHY(シャイ) / 実樹ぶきみ(少年チャンピオン・コミックス)

 恥ずかしがり屋な女の子、紅葉山テルが人々を助けるヒーロー「シャイ」として成長していく物語。あたたかみのあるキャラデザに惹かれて読み始めたのですが、困難や不条理にまっすぐぶつかっていく主人公の姿に完全に心を掴まれてしまいました。こぶしとこぶしのぶつかりあいというよりは、相手と言葉をしっかり交わして心を通わせようとしているところを丁寧に描いているところがヒーローものとしてはなんだか新鮮で、読むたびにやさしい気持ちになれる作品です。変な話ですが、この作品が打ち切られずに週刊少年チャンピオンで連載されていることに、私はとても救われています。『SHY』で揺さぶられるものは、当たり前すぎて普段意識しないけど、でも人間にとって本当に大切なものだと思うので…。

 

◆ぱらのま / kashmir(楽園コミックス)

 思い立ったら一人旅。その日の気分で電車に乗って、見知らぬ街を歩いてみたり、駅弁を買ったり、温泉に浸かったり…。『ぱらのま』はちょっとぬけてるお姉さんの視点で展開していく旅マンガです。お姉さんのフィルターを通した世界は、ある時は俗っぽく、またある時は浮世離れしていて、その心象が旅の風景に不思議な臨場感を与えてくれます。読んでいると、最低限の荷物だけ持ってどこかに出かけたくなる。そんな魔力を持った作品です。

 

◆ヨコハマ買い出し紀行 / 芦奈野ひとし(アフタヌーンコミックス)

 未来の日本のお話。水位の上昇で少しずつ荒廃していく世界のなかで、アルファさんの営む喫茶店は今日も静かにオープンしている――。少しずつ終末に向かう世界の中で、人々の生活は穏やかに続いていく。アンドロイドのアルファさんを通して、平凡な日々の流れを、でも確実に進んでいく時間を感じることができます。登場する個性豊かな人々が生み出すやさしい雰囲気が、この作品に限ってはなぜか読者の胸を締め付けるものに思えるのはなぜだろう。最近の作品ではありませんが、この作品以上に「あぁ、読み終えたくないな…」と思った作品は他にないかもしれません。本当に不思議な作品です。

 

◆BEASTERS / 板垣巴留(少年チャンピオン・コミックス)

 肉食動物と草食動物が共生する社会のなかで、禁忌とされる食殺事件。とある高校でその事件が起きたことから雄のハイイロオオカミ・レゴシの人生は大きく変化していく。肉食・草食間の恋愛や、種族間にある拭いきれない恐怖心、差別や偏見などなど、非常に複雑なテーマを扱っている作品ですが、丁寧な心理描写のおかげでストーリーの中にすーっと入っていくことができます。動物たちの豪快なバトルシーンの迫力もすさまじく、一巻一巻手に汗握りながら読んでいます。本編ももちろん好きなのですが、個人的には短編集『BEAST COMPLEX』に収められている『カンガルーとクロヒョウ』がとても印象的でした。セリフ回しのハードボイルド感といい、ラストの余韻といい…。ほんと好き。

 

◆雑な生活 / 中憲人(ビームコミックス)

 『生活が雑な女子と生活が雑でない女子の春夏秋冬をゆる~く描いた日常生活漫画』(コミックス帯より抜粋)。この作品をこの説明以上に的確に表現できる自信がなかったため、そのまま引用させていただきました。笑 自分の家でカギをなくす話、処理しきれな大袋のミックスナッツの話みたいな、あるあると思いながらもつい頬が緩むショートストーリーが詰まった一冊です。私のお気に入りは食卓に花を飾る話。生活が雑な女子の雑なんだけど妙に律儀なところが垣間見えるのがなんか好きで、それに影響されて私も部屋に花を飾るようになりました。巻末の書き下ろしで二人のそれぞれの胸の内が語られるシーンがあるのですが、これが本当にステキで。どちらの生き方が優れているとか、そういうことではなく、いろんな生き方・考え方の人間がいるから、なんか世の中はうまく回ってるんじゃなかろうかと。そんな風に私は受け取りました。たぶん死ぬまで手元に置いておくんじゃないかと思った一冊です。

 

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そんなわけで私が2020年に出会ってよかった5作品でした。今年はkindleを購入したこともあり、マンガを読む機会もかなり増えました。ここに挙げた以外にももちろんおもしろい作品はたくさんありましたが、特に自分に影響を与えてくれた5作品ということにさせてください。

 

またマンガというと、私がもっとも愛している作品『パンプキン・シザーズ』の長期休載に入って久しいです。作者の岩永先生には体調を大事にしていただき、いつか連載を再開してくださればいいなぁ…と。気長にお待ちしております。

 

最後に、今年を振り返る意味でも、画面の前のあなたもBEST5を決めてみてはいかがでしょうか?意外と自分の好きな作品の傾向とかが見えたりして楽しいですよ!

それでは。