雨上がり、気温が下がって空気が澄んでいたので、夕飯を食べてからベランダで佇んでいます。
四つ足と座面だけのシンプルなアウトドアチェアに腰かけ、エアコンの室外機にマグカップを置く。半袖では肌寒いくらいだったので、捨てようと思っていたジップパーカーを羽織りました。
ご近所の迷惑にならないようにスマホの音量を絞って、空気公団のアルバム『夜はそのまなざしの先に流れる』を連続再生しながら、赤紫の夕暮れが徐々に暗い青へと変わっていく様子を眺めています。
仕事が嫌で嫌で仕方がないこと。研究が遅々として進まず、大学を辞めようかと思っていること。28という年齢で、まったく先を見通せない現状。もういっそ…と思うたび、自分にそんな度胸がないことを自覚して自己嫌悪に陥る日々。
ここにいるとそういうドンヨリとした何かが、ほんの少し軽くなる気がします。何も変わらないけど、ちょっとだけやさしい気持ちになる。
「明日も頑張ろう」なんて前向きな言葉は浮んできません。でも「明日もなんとか乗り切ろう」くらいのことは思えるようになりました。流されるままに、行けるところまで行ってしまおう。あとのことは流れ着いた先で考えることにしようと思います。
紅茶が冷めてしまったので、そろそろ部屋に戻ろうと思います。おやすみなさい。