みちばた日誌

いまをぼちぼち生きる。

歯医者の話。

 

歯の定期検診のハガキが届いたので行ってきました。。おかげさまでこの半年、歯が痛いとか歯茎が腫れてるとかいったトラブルもなく過ごせたので、わりと気楽に足を運ぶことができました。

 

これはささやかな自慢なのですが、私はこれまでの人生で歯医者さんの治療であまり痛い思いをしたことがありません。体質的に虫歯になりにくいようで、ひどい虫歯になったこともありません。また3本ある親知らずもこれまであまり悪さをしたことがないので、抜かずにそのままにできています。これはきっと前世の私がかなりの善行を積んでくれたおかげではないでしょうか。さんきゅー前世。

 

今回の検診も全く問題なく診察を終えました。「親知らずは磨きにくいですけど、ちゃんと磨いてくださいね!」と毎回言われてしまうご指摘をありがたく頂戴して、それじゃあそろそろ・・・と診察台をあとにしようとしたところ。「あ、もんじゃさん!ちょっと待ってくださいね」と制止され、私の後ろでお医者さんと歯科衛生士さんが小声でなにやら相談をし始めました。

 

「・・・え?なにも問題ありませんよ!って言ってたじゃん・・・?え・・・?なんかヤバい感じのなんかがなんかあんの?・・・え、いやや・・・いやや・・・たすけて・・・」と途端に不安になる私。歯医者で苦しんだ経験がないというのは、裏を返すとどんなヤバいことをされるのかが全くわからないということ。すでに心から余裕は消え失せ、死にそうな顔をしたアラサーおとこが治療台の上でぶるぶると震えていたのでした。

 

そしてお医者さんから一言。

「・・・もんじゃさん、レントゲンを撮りましょうか。」

 

この瞬間、「歯医者で痛い思いをしたことがない」という私のなかでの神話が、音を立てて崩れていくのがわかりました。口を覗くだけでは判断できないようなとんでもない異常が私の口内では発生している。先生の言葉を聞いた私は、瞬時にそう理解したのでした。

 

なにがいけなかったのだろう?たしかに寝る前の歯磨きを忘れて寝落ちしてしまうことも度々あった。検診の度に指摘された親知らずの磨き方を完全に無視して雑に歯磨きしていたことも認めよう。もしかして、今回担当してくれた歯科衛生士さんの「大きく口開けてね?」「それじゃあ口ゆすいでね」「少し痛むかもしれんけど我慢!」みたいな『こども扱い口調』に対して「あ・・・これちょっといいな?この感情がバブみか?」とか失礼極まりないことを考えていたことに対する天罰が下ったのか。

 

しかしそれにしたっていきなりレントゲン事案はないだろう!もっと段階を踏んで、そう例えるなら「中学生の恋」くらいのスピード感で歯医者の恐怖は学習されるべきではないか。それなのに自分ではいかんともしようのない内部の異常をいきなり突きつけるなんてmそりゃあんまりじゃありませんか!これはきっと前世の私がとんでもない悪事をはたらいたからにちがいない。ふぁっきん前世。

 

・・・などと思考の迷路に迷い込みかけたところで、先生から詳しい説明がありました。「もんじゃさんの年齢なら、歯の表面を診るだけでなく、より深い神経部分のトラブルや口の周辺にできるガンなどの異常の早期発見のためにレントゲンを用いた検査を始めた方がいいです。もちろん多少費用がかかることではあるので、不要であれば無理にとはいいませんが・・・」とのこと。

 

つまるところ検査のためにレントゲンを撮る必要があるということで、私の口の中に異常があるということではないのでした。完全に早とちりでいらぬカミングアウトや前世の自分への熱い手のひら返しをかましてしまいましたが、とにかく私はホッと胸をなでおろしたのでした。

 

レントゲン検査の結果も一切の問題なしということで、今回の検診は治療不要という結果と無事相成りました。やっぱり健康が一番。ありがとう、歯医者さん。おかえり、心穏やかな日々。この平穏がまた半年つづきますように。